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『完パケ!』を書くにあたって~『シン・ゴジラ』での再会

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『シン・ゴジラ』

映画『シン・ゴジラ』のスタッフロールに……

2/21に講談社より刊行予定の『完パケ!』ですが、この物語を書くにあたって大きな原動力となった出来事が、2016年の夏にありました。

12年ぶりに日本で製作されたゴジラ映画『シン・ゴジラ』です。

《映画》という要素以外は『完パケ!』と何一つ共通点がなさそうですが、この映画のスタッフロールに、一人の青年の名前がありました。
先日のブログ「2018年第一弾は映画監督を目指す青年達の青春小説」で会社員時代に大学の広告の制作に携わっていたというお話をしましたが、実は数年前にとある映像系大学の男子学生(ここではS君としようと思います)の取材をしました。

当時彼はまだ大学で映像制作を学んでいる学生で、「卒業後は映画制作の現場に入る」「行く行くは映画監督になりたい」という話をインタビューの中でしてくれました。

それから数年後、偶然会社の上司と観に行った『シン・ゴジラ』のスタッフロールに、S君の名前があったのです。

最初に彼の名前を見つけたのは上司でした。S君は珍しい苗字だったので、スタッフロールの中でも目立っていたのです。

「額賀さん! S君いた! ○○大学のS君いた!」

無人在来線爆弾に感激して泣いていた上司が、鼻息荒くスクリーンを指さして叫びました。
そこには、確かにS君の名前がありました。
大勢のスタッフの名前に紛れて、彼の名前はすぐに見えなくなっていきます。

「巻き戻して! スタッフロールだけ巻き戻して! お願い!」

劇場内でそんな風に言い合っている私達は、多分もの凄く変な人達だったと思います。

スタッフロールのために買った『シン・ゴジラ』のBD

上映時にそんなことがあったので、当然額賀は『シン・ゴジラ』のBDを買いました(あ、もちろん映画そのものがめっちゃ面白かったから!)。
改めて確認したスタッフロールには、間違いなくS君の名前がありました。ちゃんとありました。

続いて何気なく見たメイキング映像で、私はまた驚くことなります。

S君は大学を出てまだ2年とかだし、きっとまだまだ下っ端で、メイキングになんて映ってないんじゃないか。そう思ったのですが……。

S君、めちゃくちゃメイキングにいるんです!
大活躍してました。庵野監督の横で堂々とお仕事してました!

多分、額賀が『シン・ゴジラ』という作品の中で最も感動した瞬間は、ここだったと思います。

S君は恐らくもう私のことなど覚えてないです。覚えていないでしょうが、彼の名前を見つけたことが、『完パケ!』を書く上で大きな大きなパワーになりました。

『完パケ!』もそうですし、自分の書いた本が世界のどこかで誰かの原動力になっていたらいいな、などと思いつつ、まずは『完パケ!』を校了させようと思います。
実は、明日再校ゲラが届く予定なのです……。

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たくさんのものを失って、僕らはだんだん逞しくなる

閉校の噂が飛び交う武蔵映像大学に通う、安原と北川。
しかし、卒業制作の監督の座は、たった一つ。二人は監督の座をかけてコンペでガチンコ勝負をすることになる。

自分の能力のなさに落ち込んで、才能のなさを嘆いて、誰かの抱えた葛藤に嫉妬して――
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