文庫版『風に恋う』カバーが完成しました

6月9日発売!

文庫版『風に恋う』のカバーデザインが完成しました。6月9日発売です。

単行本に引き続きカバーイラストはhikoさん、装幀は川谷康久さんです。

格好いいですね~素敵ですね~。

単行本のイメージを残しつつ、文庫版として新しいカバーデザインになりました。

採用案以外にも、実はもう2案ほどカバーデザインの候補があったんですが、どれも捨てがたく、私も担当編集も最後の最後まで悩みました。いろんな人の意見を聞きつつ、最終的にこのカバーを選びました。

文庫化を記念し、「小説現代」に掲載された番外編「ジョックロックに笑え」も公開準備中です。埼玉県の県立高校入試でも出題された、主人公・瑛太郎の高校時代を描いた短編です。こちらもお楽しみに!

解説はあさのあつこさん!

こちらが帯を巻いた状態のカバー。

文庫の解説は、あさのあつこさんが手がけてくださいました。

小学生の頃から大好きな作家さんから解説をいただけて本当に嬉しいです。担当編集から原稿を受け取った夜は読んで泣きました。その後、かれこれもう30回くらい読み返しています。読むたびに「もう何があっても作家を続けられるな」と思えるような、それはもう感激の内容でした。

「好きなものを抱きしめた時間が、人を大きくする」

帯にあるこの言葉は、『風に恋う』の主人公の一人、瑛太郎のものです。担当編集が悩みに悩んで、この帯コピーを考えました。

新型コロナの影響で、今年開催されるはずだった大会やコンクールの類が次々中止になり、多くの中高生が目指していたものが理不尽になくなってしまいました。そんな状況下での青春小説の役目は何なのだろう――考えた末に、この言葉を帯に使うことにしたそうです。

この帯を見た瞬間、私も「この本がこんなときに世に出る意味はそういうことなんだろう」と思いました。

本が店頭に並ぶ6月に社会がどうなっているかわかりませんが、書店で皆さんにお会いできるのをこの本も楽しみにしているはずです。